帰宅
冷蔵庫を開ける
調理
スイッチを押す

今日も疲れた。

最近残業続きだな。

まあ、仕事があるだけありがたいのかな。

あ。

カレンダー

そうか、もうすぐ記念日か。

今年で丸3年。遠距離恋愛も随分と続いてるもんだ。

そういえば、何も準備していなかったな。

二人の思い出の写真

付き合った当時、僕は夢を追っていた。

無我夢中で頑張る姿が好きだと言ってくれていた。

でも結局夢は叶わず、就職をした。

彼女を置いて、一人で東京に来た。

天井を見上げる

今の俺は、何を追ってるんだろう。

山積みの本

読んでない本も随分と溜まってきた。

仕事に関するものも、彼女におすすめされた小説も。

ページをめくる

そう、僕は小説家になりたかったんだ。

昔から妄想を繰り広げるのが好きだった。

頭の中だけでも好きな子を笑顔にしている姿を思い描きたかった。

決して敵わないと分かりながらも、魔王を倒して世界を救いたかった。

なんでもない日常を面白く、楽しいものにしたかった。

そんな景色を誰かに届けたかった。

知らない誰かと一緒に夢を見たかった。

小説家になればそれができると思った。

パソコンを触る

まあ、もう今の僕には無理か。

これは・・・

公募ガイドの記事を見つける

公募ガイド・・・?

公募ガイドってなんだ。

へー、誰でも応募できるのか。
しかも小説も受け付けている。

どうだろう。またやってみようか。

いや、もう無理か。

今さら夢なんて追ったところで・・・

山積みの本

待っていても、はじまらない。

「待っていても、はじまらない。」

そうか。待っていても始まらないよな。

夢が来てくれるわけでもないんだし。

待っていても、はじまらない。

よし、久しぶりに書いてみるか。

ペンを持つ

机に向かう

♪ピーピーピー

ペンを置く

出来上がったか。

サラダチキンメーカー

開ける

切る

サラダチキン

うまい。

こんな手軽にサラダチキンが作れるなんて、すごいよな。

サラダチキンメーカーなんて、いいものプレゼントしてもらったな。

今度会ったらありがとうって言わないとな。

あ、そうか。

箸を置く

手紙を取り出す

記念日、手紙でも書くか。

夢を書こう。

まずはいちばん大事な人に、届けよう。

机に向かう

サラダチキンメーカー

※このお話はフィクションです。実際の登場人物や団体とは何の関係もございません。ただ、サラダチキンメーカーは存在します。美味しいです。